わたしの働いてる施設の職員さんはおばあちゃんが多いです。
勿論仕事中は〇〇さん~と呼びますが若手の職員さんとおばあちゃん達のことを話す時は
親しみを込めてお姉さま達と呼んでいます。
いくつからがおばあちゃんになるのかはわかりませんが
ざっと見ても78才80才などの方々がおられ見た目もおばあちゃんです。
もう少し下の73才の方などはおばちゃんの部類に入ります。
ここがいささか難しいのですが大阪ではおばちゃんと呼ばれる年齢の幅がとにかく広いんです。
わたしももうすでにおばちゃんでこれは息子が小さい頃から人のお母さんはおばちゃんに。
そしてホントにおばあちゃんの年齢に達していくつであってもおばちゃんです。
わかりますか?
80才の職員さんがおばあちゃんであっても表現としてはおばちゃんになるのです。
決しておばあちゃんなどと言ってはいけません。
わたしのことは苗字じゃなくておばちゃんと呼んでや
ぇ。おばちゃんですか
言われてホントにおばちゃんなんて呼ぶはずがありません。
おばあちゃんの記憶
現役で働いておられるのでとにかく元気元気。
動きも軽快ですしやることもテキパキしています。
しかし言うことが毎回変わるのでその指示を聞くのに頭を使います。
〇〇さんの洗濯物は引き出しにいれてや
わかりました~と答えて翌日になると
〇〇さんの洗濯物は棚においてやって言うたやろー
きのーは引き出しって言ってたのにな~
棚に洗濯物を置いてここでいいんですよねと確認をすると
そうや。棚でいいねん
アイコンは可愛いですが実際は鬼のような形相をしています。
これで一人はクリアしたと油断してると違うおばちゃんが
アンタっ棚に洗濯物置いたらあかんがな
でも〇〇さんが棚と….
こんなことは日常茶飯事でおばちゃん達は言ったことも忘れますが
言ってないことを言ったとか、毎日ホントにくるくる変わります。
そうこうすること数年。
最近では
〇〇さんの洗濯物きのー棚と言ってましたよね。
なので棚に置いてます~と先手を打つ作戦を思いつきました
ここがポイントで「言ってましたよね」と念を押すこと。
すると
そうやったかな。ま、ええわ
なんとかセーフ。
今日は棚でいいんやわととホッとしてるとまた別のおばちゃんが
誰やっこんなとこに洗濯物置いて
わたしがまるで犯人のように見られているので
棚とお聞きしています~と逃げようとしたら
おばちゃんとおばちゃんとおばちゃん3人が
アンタっほんまに使われへん子やな
とおばちゃん会議が始まってしまうのです。
ババア…ええ加減にせーよ。
まさかこんなことは言いません。
すみません~今日はどこに置いたらいいんですか?とにっこりしながらお聞きします。
小さな台所…普通の施設では厨房と呼びますが人数の少ない施設なので台所で食事の準備をします。
その台所で
あの子あかんわ~何度言っても覚えへん
これ悪気じゃないんですよ?
おばちゃん達からしたら棚であろうと引き出しであろうとその日の気分によるものなので
当日おばちゃんの機嫌によって洗濯物を置く場所が変わってしまうのです。
しかもあの子….
わたしもおばちゃん達世代に近いものがあるのに
おばちゃん達からしたらまだまだひよっこなのであの子と言われています。
わたしでこうなのに若手の職員さん達は孫ぐらいの感覚です。
わたしらがおらんようになったらアンタらが軸となってやらなあかんねんで。
これを毎日言いながら
いなくなったら….それを聞きながら
若手の職員さん達が
ああは言っても絶対に辞めるつもりあらへんわ
せやせや。
なんだかんだありますとてもにぎやかな職場です。
石の上にも3年
わたしはおばちゃん達のグチグチを適当に交わしながらやれています。
しかも夜勤専従なので会う機会は夕方の30分と朝の30分です。
しかし正社員のスタッフさんは1日中一緒。
わたしが出勤すると離れた廊下に呼ばれて
お姉さまが無理難題言うてきよった
どんなん?
ウダウダウダウダ….
1日一緒にいるからきっとお姉さま独特の見解であれこれ言われるんでしょうね。
棚にだとか引き出しだとかその日その日の注文をまともに聞いていると
病んでくるかもしれません。
すでにそれが耐えられなくて辞めた人もたくさんいます。
あの子は根性がなかった
他ではつとまらんわ
石の上にも3年とか言うのに我慢が足りん
そんな日々の中でどうしても人が足りずに新しい職員さんを大募集しています。
するとおばちゃん、いやお姉さま達が
アンタ夜勤せーへんと日勤やりーや
いやいやとんでもないです。出来ませんよ
教えたるがな。いけるいける
教えたる….
すでに数年ここにおりますがまだ棚とか引き出しにしまう以外
他にもあるのでしょうか。
そして
ま、少々足らんけどアンタでもなんとかなるやろ
足らん….
それは仕事がまだまだってことでしょうね。
ちなみに夜勤と言いますのは全ての仕事が出来ないと夜勤は出来ません。
苦手なお風呂介助にしてもどうしても大量に💩が漏れた場合などは
お風呂にお連れして洗いますし勿論個別に食事介助やら
熱が出ている利用者さんの時間ごとのバイタル測定。
様子を見ながらクーリング(アイスノンを使うこと)したりもします。
まして一人夜勤なので出勤してから朝までの利用者さん全ての責任がかかっています。
洗濯物が棚にあろうが引き出しに入れようがそんなことはどうでもよくて
利用者さんが転倒しないように…
ケガなどさせないように…
胸の音が変な音がしてたらベッドを起こして上体を傾けたり?
酸素濃度が出ない場合には指を温めて何度も測りなおしたり?
食事中は喉に詰まらせてないか観察したりですね。
やることは洗濯物以外にもたくさんあるのです。
それでもおばちゃん達からすると
どーせ夜勤は暇やろ
オイコラ
そんなことは言うはずもなく
そうですねー暇ですねー(棒読み)
最近は人手不足で日勤さんが足りないので
日勤に勧誘されて困っています。
おばちゃん達はわたしを日勤に引きずり込んで
洗濯物はな~
と教えてくれようとしてるに違いありません。
おばちゃん達との熱い戦いはまだまだ続きそうな残暑です。
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