毎日のお墓参り

日常

そのお店に着いた途端に話をまくし立てる最近あった色々なこと。


オオタさん
オオタさん

ノートパソコン壊れて大変やったんや

わたし
わたし

壊れた?どんな症状に…

オオタさん
オオタさん

画面に英語が一杯出てきてイミフな感じやねん

ああ…
思い当たることはありました。

英語が一杯のディスプレイ。
あの状態かぁ…



それを考えてる暇もなく



オオタさん
オオタさん

年賀状作ろうとしてんけど壊れたから困ってん

わたし
わたし

年賀状ですか

オオタさん
オオタさん

喪服はこないだ着たからいいねんけどな

わたし
わたし

喪服と年賀状とパソコンとなんの関係が….

んでな~
去年主人の姉が亡くなった時は春やったからいいけどもう冬やろ?



わたし
わたし

はぁ…

羽織もんがいるから行きつけの店行ってんけどその日お金持ってなくてまたきます~って帰ってきてん。
そして次の日行ったらそのコートは売れてしもててん。





わたし
わたし

あの~…

PCが壊れてどうなったんですか?
年賀状は街のカメラ屋さんでお願いしたらどうですか?
喪服の上に着るコートは売り切れてしまったのなら大きなスーパーで見てくるとかどうでしょう。






前に先にランチの注文しませんか?




すると



オオタさん
オオタさん

あ ごめんごめん うちの話ばっかりしてもーたな

この店は注文いらんねん


わたし
わたし

注文しなくていいんですか?

オオタさん
オオタさん

そうやねん 勝手に出てくる

そうなんですか…
座っただけで勝手に出てくるお店。


どっかの高いお店のコース料理みたいですねと言うと




オオタさん
オオタさん

ま 有名やけどな

わたし
わたし

はぁ…そうなんですか

さて。
前置きが長くなりましたが職場の先輩であるお姉様のオオタさんと約束していたランチに行ってきました先日のこと。


上でもお話しましたが着いた途端に最近あった話をマシンガントークで説明し出して息する暇もありませんでした。


話を時系列で考えると
ノートパソコンが壊れた→年賀状を作れない
喪服をそろそろ用意しておかないといけない→知人が亡くなりそう
時期的にコートがないと寒いであろう。

年賀状を手書きにする為に筆を買いに行ったけど使いやすい筆が見当たらない
知人が亡くなったらお悔やみのお手紙を書く必要がある。

筆を以前の職場の知り合いに頼む為に以前の職場に顔を出した。


こんな感じでしょうか。


で。
年賀状と喪服のコートと一体なんの関係が?



話がごちゃごちゃになりそうでそこからは質問する勇気がありませんでした。


職場での立ち位置

わたしとオオタさんが親しくなったのは今年に入ってからのことで…

それ以前にも小さな物のやり取りや困っていたら家から持ってきてくださったりと少しの交流はありました。
でもわたしは夜勤なので日勤であるオオタさんとそこまで深い関係にはなることはありませんでした。

職場のゴタゴタも夜勤であるわたしはいつも


わたし
わたし

へ~そうなんですか

のらりくらり返事をして深く入らないように心がけていました。

何故なら人間と言うものは親しく密になれば揉め事が出てくる。
これは鉄則であり過去の職場の人間関係でも学んできたのでイエスノーをはっきり言わないように接してきました。

誰かの味方をすればその相手とまた寄りが戻った時にこっちが不利になる。
そんなことを何十回も経験してきたので今の施設に入った時から誰がなにを言っていても


へ~そうなんですか。


しか言わずに?
否定をせずにでも肯定もしない。
それを守って長い年数働いてきました。

それが今年に入ってからまず責任者であるサ責の退職やらど厚かましい新人社員の女性の退職。
そして深い沼の主のように振舞っていたおばあちゃんの先月の退職。

その3つの出来事の前後には毎日毎日揉め事がありうんざりしていたところオオタさん一人が悪者になってしまいその愚痴を?わたしが聞いていたので連絡がしょっちゅう来ることになったんですね。

愚痴は聞きます。
それでその人が楽になるのであれば…

ただその内容と言うものに賛同はしませんでした。

へ~そうなんですか。へ~そうなんですかをただ言うだけで時は過ぎて行きそれでもオオタさんは誰かに救いを求めるかのようにわたしに連絡をしてくる回数が増えてきたんですね。

いつまで経っても終わらない愚痴。
今日はなにそれがあってん腹立つわー
あの人何様やねんな
うちはこう思うからしてるのにあの人は違うことをするねん。

そしてある時からその終わらない話に終止符を打つために思いきって言ってみることにしました。



あの~



どっかの宗教で言ってましたが



人を変えようとするな自分が変われ






わたし
わたし

聞いたことありません?

オオタさん
オオタさん

ないな~

長年生きて来た人を変えようなんて絶対に無理。
そしてこっちは先生でもありませんし?
ならばその人を変えるのではなくこっちが態度や見方を変えるしかない。


自分の意見や想いを世の中の全員がわかってくれるはずもありません。


ならば生きやすいように見方を変えてその考えで動く。
そしてその人と同じ土俵に上がらないように気をつける。

こうすることでちょっと離れた場所からその人を見ていると あ~自分とは違うんやな。
そう思い楽になっていけると思うのです。

でも…
わたしなんぞが人に…長年生きて来た人生の先輩に言うのもちょっとなぁ。

それでも終わらない愚痴を。
合わない人のことを理解した方がいいと思ったあの夜。
長々と愚痴を言うオオタさんに

人を変えようと思うな のことわざ?を言ってみました。

わかったのかわからなかったのかはもういいや。
人が100人いたとして100人のことなんてわからないしわかってもらえないのも仕方がないことなんだと言うことを愚痴を言うオオタさんに言った夜からオオタさんは少し気持ちが変わったようで

オオタさん
オオタさん

アンタの言うとーりかもしれんな…

わたし
わたし

ごめんなさい 偉そうに…

その日からLINEや電話で愚痴を言うオオタさんに変化がみられ愚痴は言うけれども。

うちが変わらなあかんねんな…

と最後は締めくくるようになりました。


元々聡明な方なのできっと理解されたんでしょう。
わかりあえない人がいるってことを。

そして自分が正しいわけじゃない。
自分と違うことをしているからって相手を恨むのもおかしいってことを。
人には色々な考えの人がいて意見が違ってもそれもまた一つの個性だと言うことを。

先日。
職場のお姉様が退職されたことでこの日のランチでは退職されたお姉様の愚痴オンパレードだと想像していたわたしでしたがPCが壊れた話から喪服の話になって知人が余命わずかの話で

ランチの2時間はあっと言う間に過ぎていきました。


時間もそろそろって時に今日のメインの話であるはずの退職されたお姉様のハラダさんのことをそれとなく話してみると…


わたし
わたし

やっとでしたね

オオタさん
オオタさん

やっとって?

わたし
わたし

ほらハラダさんが退職されてこれで平穏になったじゃないですか

オオタさん
オオタさん

ああ~…

わたし
わたし

日記ももう書くことがありませんよね


あれだけ何回も何回もオオタさんの愚痴を聞いてきたので最後に感想を聞こうとすると



オオタさん
オオタさん

あんなんどうでもええわー

オイ



そのどうでもいい人のことでわたしの貴重な夜のボス狩りが何回潰れたことか….


どうでもええんかいな

まぁ愚痴と言うものは聞いていても楽しい話ではありません。
それがなくなってPCが壊れた話やら年賀状を作る話の方がいいですもんね。


オオタさんのストレスがなくなってホントに良かった…
そう言いながら出てくるお料理に美味しいですね~と言い合うこちらの方が明るいランチですもんね。


ゴミのお礼

しまった…

またもお料理の写真を撮り忘れました。

最初のお料理はお造りでしたけど創作和食屋さんと言うことでお刺身も手のこんだ盛り付けになっていて絶対に写真を撮らなくてはならないのに….しくしく

お腹が減っていて写メどころか出てくるとすぐに食べてしまうお料理でした。

途中で気が付きなんとか撮った2枚の写真は

最後に近い時に出てきた海老シンジョウと言うもので





もうすっごく美味しいお料理でした。

そして最後のお料理が〆であるご飯もの。



巻き寿司に豚肉のピカタとなめこのお味噌汁。


コース料理はお酒があればいいですがお腹空いてがっついているわたしには待ちきれなくて残念でした。


最後に出てくるデザートもこれまたとても凝っていて大きなお皿にフルーツが形よく盛り付けてありコーヒーのアイスに小さなケーキなど見た目も素敵な締めくくりで





わたし
わたし

また写真撮る前に食べちゃいました

オオタさん
オオタさん

写真なんていいやん 

置かれた美味しそうなものをいいタイミングで食べるほうがいいに決まってるやろ。
そう言われて…



わたし
わたし

そうですよねですよね

タイミング…
またオオタさんに一つ教えてもらったような気がしました。


せっかく行った創作料理の写真は撮れませんでしたが色々なことにはタイミングと言うものがありそのタイミングがドンピシャで当たった時に上手く回っていく…

78歳と言う年齢を感じさせないオオタさん。
頭の回転がすごく早くて時々言葉に詰まったりしてあの~あの~って黙ってしまうような時も的確に的を得たような返事をするオオタさん。

見習うべきことが多いのは色々な経験をされてきたんでしょう。


さて。
ランチも終わり会計のレジに行くとママさんらしき人がお代はすでに頂いていますと言うではありませんか。




わたし
わたし

奢りとかそれは困ります

ちゃんと割り勘にしませんか。
そう言うと



オオタさん
オオタさん

今日は出させてくれへん?

わたし
わたし

出してもらうのって嫌なんですよね

わたし達は同僚であり年齢は違っても立場はイーブンでありたい。
ご飯を奢ってもらうことでなにかしらの借りのようなものは作りたくないわたしは粘りましたがオオタさんも引きませんでした。

そして…
オオタさんが言う昔の話。


オオタさん
オオタさん

ゴミ持ち帰ってくれたやろ?

わたし
わたし

ゴミ…

職場で出た粗大ゴミを家が近いこともあり車で取りに来て市の焼却場に運んだことがありました。


わたし
わたし

そんなこと別に…

たまたま家が近いこともあり処分出来なくて困ってる粗大ゴミを引き取って捨てに行ったとか大したことでもありません。


でもオオタさんはそれをずっと覚えていて

オオタさん
オオタさん

あれ 嬉しかってん


その時からいつかご飯を食べに行く機会があればいいな~と思っていてくださったようで今回のお誘いとなったそうでした。


職場で出たゴミを引き取ったこと位でオオタさんがわたしにご飯を奢る理由って変じゃないですか。
そう言うわたしに

オオタさん
オオタさん

人が困ってる時に体がすぐ動くってそれは…


素晴らしいことやんか。

そんなこと…
たかだか職場のゴミ位でそれを覚えていてくださったことにびっくりしつつ食事の機会を待っていたと言って貰えたことが嬉しさもあり素直にご馳走様です~と言うことが出来ました。


わたしは…

毎回出勤前にご主人のお墓に手を合わせに行くその習慣を尊敬しています。
雨の日も風の日もご主人のお墓に寄って1日の無事をお願いしご主人の好きだったものをお供えして感謝してること。

中々出来ることではありません。

そのオオタさんがアンタには色々教えてもらったな…
そう言われて

わたし
わたし

とんでもないです 教えるとか


教えて頂くのはこっちですよと言いながらお礼を言いい自転車を漕いで去っていくオオタさんの後ろ姿をずっと見守っていました。

78歳…
それでも健康の為に働いて空いた日にちには介護施設にボランティアに行かれています。

そして毎朝の習慣であるご主人のお墓参り。
お子さんお孫さんを大事にされて過ごす日常を聞きながら

この人はきっと良い終末を迎えるだろうな…

後どれくらい一緒に働けるのかはわかりませんがいつまでもお元気でいて欲しいなぁと思ったある日の午後のことでした。




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