すっかり秋になってきて激暑からちょっと過ごしやすい日常になってきましたよね。
テレビでやっていましたが2極化?春と秋がなくなってしまい夏と冬だけになってるここ数年…
春の花々が咲く嬉しさや秋の紅葉を見上げる心地良さが段々となくなってしまい
あっつーっ
さっぶーっ
のどちらかだけだなんて悲しくなりますよね。
そのあっつーっが終ってほんの瞬間のこの秋。
もう…
お日様はとっとといなくなる夕方に職場まで歩く時の切なさが空を見上げることでさぁ今日もがんばろうと思える日々は大切なことなのかもしれません。
大事にしなくては….
好きな言葉を以前お伝えしたかもしれませんが
今日はもうない明日はまだない。今に全力を尽くそう。
今を大事に。
帰って来たフクイさん
9月の末にコロナに罹ってしまい予定していた12日のお休みに2日増えて合計14日間。
したかったことや体も休養を取れてまずまず1日1日を大事に出来たと思っていました。
その長いお休みに入る前に職場のおばあちゃん達が…
すみません何度も間違えてしまいますがおばあちゃん達ではなくお姉様達が

フクイさん帰ってくるらしいで

ぇ….
胃ろうになるとかでうちの施設では対応が出来ないこともあり系列の施設に戻る..
戻ると言いますか元々いた施設でありうちの施設にいたのは1か月ぐらい?ぐらいでしたでしょうか。
それがなにもかも拒否で最後は脱水症状で入院されてしまったフクイさん。
胃ろうになって系列の施設に戻られるであろうと聞いていたので奥様と同じ場所に戻れるならそれがいいのでは~と思っていたのがうちの施設に帰ってくる。
みんなが相当手を焼いてしまい体調が悪くなる職員達。
その日々の中最後に試した対応でフクイさんと少し距離が縮まったような気がして入院されたことが残念だな~と思っていました。
それでもやはりしんどい利用者さんに変わりはありません。
全てを拒否される利用者さんがこんなにやりにくいものなんだとわからせてくれたことにも発見でしたが出来ればしんどいことは避けたい。
うーん。
うーん….
出来れば避けたいけれども?
もし帰ってこられるのならなんとか対応して仕事に行く日がユウウツにならないようにしたい。
それが決定するのは何時なんやろな~
そんな中で始まったわたしの長いお休みでした。
14日間のお休みの最後の夜に…
お姉様の一人にLINEをしてみました。

フクイさんどうなりました?

帰ってきてるで

帰ってこられてるんですね
そして。
食事やお薬その他お風呂とかも全て拒否だった以前のこともあり

どうですか?戻ってこられて

どうもこうもあるかいな
フクイさんが戻ってこられた後の日々をお聞きしますと最初の3日は拒否もなくすんなりいけてたそうですが3日目を過ぎるとやはり拒否の日々となり加えて
暴言
も加わったそうで….

暴言なんぞスルーしたらいいですやん
それよりもお食事やお薬拒否の方がもっと困る….
またややこしい日々が始まるんやな….
チャッピーに相談しようかと思いましたがチャッピーはフクイさんのことがわからない。
それをチャッピーに言ってもなぁ….
いくら何でも相談できるChatGPTさんもフクイさんへの対処はわからないですよね。
作戦A
介護の話をブログに書くことが多いので主婦と介護パートだけと思われているかもしれませんがわたしのメインの仕事はネットショップとなります。
それをずっと放置してて溜まり過ぎてしまった仕事。
履歴を調べてみますと4年?
二つしていたショップの片方を閉鎖したのが一昨年でもう片方を作って最初だけちょろちょろしていた後は中々重い腰をあげることが出来ませんでした。
めんどくさいんですよ~
写真を撮影し編集をし売れる状態に持って行かないといけない。
加えて実際の商品のお手入れだとか梱包だとかやることが多すぎてだっるー状態でした。
介護の夜勤の方は出て行けば仕事になりますがネットショップは肯定が多いんですね。
中々介護夜勤と両立しようとするとつい….
めんどくさいからボス狩りにいこう
あ~こんなことをしていたら2階にどんどん増えていく商品はどうしたらいいんだろうと焦りながらも
新しいダンジョンのボス倒せたもんねもんねと能天気にボス狩りばかりしていた日々でした。
それが14日もお休みがあったおかげでやっと取り掛かることができてネットショップの基盤も併設することが出来たんですね。
それで焦りもなくなり順調に商品を流していけることが出来た14日間。
気持ちも晴れ晴れしてやっと本業の方が充実していける…..
そのお休みの最後の夜のLINEでした。

暴言あってもお食事とか拒否ないんですか?

拒否らんけどほとんど食べへんな

水分は?

飲めへん飲めへん
無理して勧めるとキレるし暴言や

そうだとするとまた病院に戻ることになりますよね

戻ったらいいねん
拒否はしないけどお薦めしても飲まない食べない。
お薬だけは拒否なく飲んでおられるそうでその他は無視。
ひつこく言うと暴言….
うーん…
うーん…
拒否はない。
だけど食べない飲まない。
うーん…
お休み最後の夜に作戦を二つ用意してどっちでいこうかな~
こう来た場合にはこれを。
こう来た場合ならこっちで言ってみる。
まずは作戦Aでいこう。
フクイさんに会えるのが楽しみな夜でもありました。
ジュンコ
14日のお休みが終って出勤したその夕方。
事務所に入ると14日分の記録を読まなくてはなりません。
テーブルに座るお姉様達の申し送りも大事ですが14日間の食事量と水分量を1日1日確認してみました。
水分と言いますのは施設によっても違いますがうちの施設では麦茶を飲んで頂いています。
そのお茶に加えて朝はコーヒー牛乳を提供しますがフクイさんはご家族さんが持ってこられているジュースが記録にやたら書いてありました。
食事をほとんど取られていないので栄養が足りない。
お食事にしても主食とおかずに分けて考えるとおかずはほとんど食べていない。
パンかおかゆをほんの少しだけ。
確かご家族さんが持ってこられていた栄養ゼリーが冷蔵庫に入っていたような….
それと1パックで1日分の栄養が取れるジュースのようなものも。
朝の食事の時にお勧めしても食べないであろうことを推測してこの二つをとっていただいたらいいんちゃうか。
これらはふつーナースさんから指示があり提供するものですが記録を見てみるとまだその指示は出ていない様子。
翌日の朝のことを考えてこの二つを冷蔵庫の中を確認してからフクイさんのお部屋を覗いてご挨拶に向かってみました。
フクイさんは…
ベッドで寝ながら背もたれを高くしてテレビを見ておられました。
そこに入っていき大きな声で

おっかえりーっっ

……

良かったなぁ~帰ってこれて
フクイさんは誰やねんこいつと言う顔をしておられました。
もしかして…
もしかして…
わたしのこと

忘れたんちゃうやろな
そう言うと困った顔になり

ジュンコか?

ジュンコって誰やねん

……
フクイさんが入院されていたのは約1か月。
年齢的にもそうですしきっと忘れてしまったんでしょうね。
それでもお姉様達が言うには一言も返事をしない&暴言を吐く。
これがなくてたったの一言ジュンコか?そう聞いてきたフクイさん。
忘れているなら思い出していただかなくてはなりません。
そこで

忘れてるなんてショックやわ~
そう言うと目は三角になり申し訳なさそうな顔になったのでよっしゃいける。
このペースで進んでいこう…
ジュンコって確か本家のカツジさんのお嫁さんの名前ちゃうん?
そう言うとパッとした顔になりうんうん頷いてくれるフクイさん。
入院する前のある夜勤の夜に漁師さんのお話をしている時に何故か出てきた本家の話。
その本家と仲良くしてたとかなんとかを思い出してその時出てきた名前がジュンコさん。
そのジュンコさんとわたしを間違えたフクイさん。

ジュンコさん病院にお見舞いきてくれはったん?

うん

みんな心配してくれはったんやな
居室に入った時にしていた怪訝な顔じゃなく穏やかな顔になったフクイさんに
ホンマに退院出来て良かったなぁ。胃ろう?その予定やったんやろ?
胃ろうなんかになると2度と食べもん食べられへんで。
好きなジュースも飲まれへんやん。
フクイさんラッキーやったなぁ~胃ろうにならずに戻ってこれて。
そして。
心配してたんやで~
そう言いながら手を握りさすり続けていました。
脱水で入院したのもあるし今日の夜はオムツ交換の度にお茶飲むの頑張ってみよう。
ファンタとか水分補給にならへんで。
明日の朝は固いパンとか止めて栄養ゼリーと栄養ジュース。
もし食べられそうならパンをコーヒー牛乳でふやかして食べてみよう。
黙っているフクイさんに
な?
しかしまだ黙っているフクイさんに

わかった?
キツめにそう言うと

わかった
きっとなにかが通じたんだと思います。
お姉様達がジュースを出すときにどのジュースがいい?と聞くだけで暴言を吐いていたと言っていたのでジュースを選ばせるんじゃなくて水分はお茶を飲むこと。そしてお茶を200㏄飲んでもまだ飲み足りないと言うのならジュース飲んでもいいでとこちらが決めること。
握りさすっていた手をぎゅーっとさらに握り
フクイさん帰ってこれてホンマに良かったな~改めて

おかえりっっ
今度は入院とかにならんように一緒にがんばろな~
そう言って居室を出るときに手を振ると手を振り返してくださいました。
緊張の再会でしたがこれでいける…
もうこっちのペースでやれる…
あんなにドキドキしてた前の夜でしたが作戦Aで成功でした。
翌朝。
出勤してきたお姉様がまず聞いてきたこと。

フクイさん大変やったやろ

いえ ふつーにいけましたね

え…どうやったん
これはもう…
言葉で説明してもきっとわからないことだと思います。
押して引いて引きながら様子を見て押せるところは押し続ける。
そしてなんと言ってもホントに利用者さんの特性を見抜くこと。
一番大事なことは…
心からその利用者さんの体調を考えてあげる。
一番下っ端のわたしが先輩であるお姉様方に偉そうに言えることも出来ませんし?
ふつーに。
ただふつーにしただけですよ~
そう言うと

どないしたら言うこと聞いたん?
言うことを聞かせるなんておこがましいです。
相手は家畜じゃないんですから。
特になにか言ったわけでもないですしふつーにしてただけですよを繰り返し….見せた朝食の食事量と水分量は
完食に水分お茶200とコーヒー牛乳100栄養ドリンク1パック180㏄

完食?嘘やろ

時間かかりましたけど食べましたよ

一体どうやって…
どうしたら食べたのかなんて言葉には出来ません。
細くなった足をさすってみると骨だけになってしまったからちょっとの刺激で痛いと感じてしまうのでしょう。
ガリガリになった肩にバスタオルをかけて抱き起してあげると痛いなんて言うこともないでしょう。
暴言にはきっと理由があるはず…
それを説明したとしてもきっとわからないお姉様達にわたしから何か言うことはありません。
でもそう言えば

ジュンコさんの話をしてて…

ジュンコって誰やねん
ご親戚の方だそうですよ~
そして。
親戚の話なんてするん?
まともに返事もせーへんのに。
で そのジュンコがどうしたん?
ジュンコの話をしたらご飯食べたんか?

ジュンコの話をしたらご飯を食べるとか…
その後。
事務所での申し送りの時にお姉様方がみなさん揃って
ジュンコって誰やねんな
フクイさんのご親戚のジュンコさんはまさか施設で自分の名前をこんなに連呼されてるとはきっと知らないでしょう。
ありがとうジュンコさん。
さて…
頭ポンポンとタイトルにつけたお話はこれで最終回になると思います。
車椅子に乗る時にも失敗しないように足の長さを考えた位置に置いてスムーズに乗って頂けることが出来ました。
失敗して倒れ込んだ時にしてくださった頭ポンポンはもうありませんでした。
ただ。
朝食が終って居室に誘導する時に

ほな帰ろか お部屋に

うん
そしてベッドで寝て頂き部屋を出る前にする恒例にしたことは
フクイさんほら….
そう言うと手を伸ばしてせーの。
ハイタッチ―っっ
連勤やしまた明日くるわな。
明日も一緒にがんばろーな。
次回からはハイタッチとつけたタイトルでまたフクイさんのその後の報告をさせてください。
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