すっかり秋ですよね。
え…
このクソ暑い日々が秋とかありえへんわー
とか言いながらやっぱり空の雲の動きとか夕方の出勤の時のお日様の明るさで秋を感じてしまいます。
夏はいいんですよね。
18時の出勤なのでちょい早めに家を出ますがまだまだ空はお昼のような明るさです。
それが秋になると薄暗くなっていて気持ちも沈みます。
人って朝家を出て夕方に帰る。
これを逆にすると体内時計も回転しバイオリズも狂ってくるんだろうなぁと思っています。
先日。
3連勤と言う日々がありました。
数年ぶりでしたが初日から気合いを入れておかないとダレてしまうので頭の中で買い物の時間やらアイロンかけるタイミングなどを計って
あ~あれもこれもこうしてああして
と計算ばかりして初日を迎えました。
戻ってこない
先日の記事で頭ポンポンと言うものを書きましたが3連勤の初日。
恐る恐る出勤をしましたが主人公のフクイさんは退院されていませんでした。

どうしてですか?
脱水で入院されたので1週間程度で退院される。
とネット情報を信じていましたがどうも病院でも全てを拒否されているそうで脱水に加えて栄養が取れてない。
病院ではとても退院させられる状態ではないと判断されたんでしょう。
戻ってこられていませんでした。
職場では皆さん喜んで….
利用者さんが退院されないことに喜ぶとは不謹慎ですが悪戦苦闘していたのでそれもわかります。
わたしと言えば半分はホッとした気持ちと半分はフクイさんがわたしと会ってどんな態度されるのかをちょっと期待していました。
あの朝。
全て拒否だったフクイさんにいちかばちかの言い方で

ほら 行くで~
と上からの言い方をしそれが成功したので次はそれが成功するのかどうか。
もしかしてそれもダメでまた違う方法を考えないといけないのかも…
そんなワクワク感と言いますかどう攻略すればいいんだろうとずっと考えていた日々。
それが戻ってこないとなるとあんなに考えて考えて考えたのってもったいなーと思ってしまったのです。
事務所ではお姉様達に

戻ってこられないんですね…

戻ってきたら大変やんか
そうですがフクイさんをなんとかしたいと言う気持ちに

精神病みそうでヘルペス出来たわ

ヘルペスっ!!!
皆さん体調が悪くなったりもしていたのでそれもわかります。
ただ…
扱えない利用者さんにどうしたらいいのか。
そしてまたそんな利用者さんが入所された場合この経験を生かすこともできるので戻ってこられないことにちょっと悔しさを感じてしまいました。
3連勤初日。
今からラスボスを倒しにいく….
みたいな気合いを入れていただけに腑抜けてしまい

今日は脱力系でいこ
夕方の出勤後。
は~
ふぁ~
廊下を歩くわたしはダラけて初日の気合いはどこに行ってしまったのかわからなくなりました。
想いの違い
介護を仕事にしていると色々な場面に遭遇します。
初めての職場は特養と言って特別養護老人ホームでした。
結構大きな規模なのでたくさんの利用者さんがいましたが一人一人の対応を協議する会議?そんなものがありわたしは参加できませんでしたが正社員さんが特定の日に会議をしどうしたらいいのか
そして
どんな対応をするのかを話し合っておられていたようです。
わたし達パートにはそれを文書や口頭で伝達されていきこの人はこうだからお薬はこんな状態で飲ませてください~やらこの利用者さんはADLが落ちてきているので水分はしっかりとろみをつけて飲ませてくださいなどなどちゃんと利用者さんのことを考えた対応をしていた施設でした。
そんな施設が初めての職場だったせいか介護を仕事にするとはこういうものなんだ~と思っていました。
それが形態が違う介護施設になりますと

食べへん? もうほっとき
こんな施設もあり いや施設と言うかパートさん達のやり方ですね。
食べなければほっときで済ませてしまうことや体に出来ているアザなども

どっかで打ったんやろ そのうちに消える
こんな職員さん達が多いのが現実です。
そこにわたしが

ナースさんにオンコールしなくてもいいんですか?

アザぐらいでオンコールしたら怒られるで

はぁ….
思いの違いそしてそれ以上のことをしようとすると職員関係が悪くなる。
難しいですねホントに。
個人の想いは皆さんそれぞれ違うだけに働く職場や環境の違いそして職員の考え方の違いが働き続けることにも影響してしまうんだと思っています。
つい最近でもこんなことがありました。
体中に湿疹が出来てしまった利用者さんのお布団を干してあげよう~と言い出したパートさん。
それに賛同して手伝うパートさんに一人のお姉様がクレームを言い出しました。

シーツ交換の日じゃないのにいらんことせんでええわ

ずっと布団も干してないしだから湿疹が出来たんちゃうん

せやけど予定変えるとまたシーツ交換増えるやろ
時間が余っていたのかどうかは知りませんがお布団をお日様に当ててあげよう~と言うパートさんと決まってる日じゃないのになんでそんなことするねんと言い合いまで発展しました。
わたしがそこに出勤をし険悪なムードの事務所。
なにかで揉めたんやろな~と素知らぬフリをして着替えていると無言で退勤していくお姉様。
わたしは日勤さんが出勤されるときと退勤されるときに玄関まで行くことにしているので

後で電話してもかまへん?

別にいいですけど
あ~
またケンカになってその愚痴やろな~とトボトボ事務所に戻ると揉めた相手であろうお姉様が

ちょっと聞いてーや あのババアな 今日….
揉めた内容を延々と語りだしてしまったのです。
お布団を干してあげることが正解なのか。
予定と違うのでシーツ交換などはしなくてもいいのが正解なのか。
人はそれぞれ想いも違いどれが正解かどれが間違いなのか明確な答えなんていつも出せるわけではありません。
事務所に残ったお姉様の愚痴を聞き…
夜には先に帰ったお姉様の愚痴を電話で聞き….
利用者さんのことで悩んでるわたしがアホらしくなってきたこともありました。
ゲーマー
友人あゆみと次に電話出来る日を調整するためにしていたLINEで。

フクイさんどうなったん?
少ない読者様の一人….あゆみはブログを読んでくれていて心配してくれたんですね。
そして

ヘロヘロになって頑張ってて偉いなぁ
うーん…
労って貰えて嬉しいことは嬉しいのですがわたしの根底にあるのはフクイさんの為を想って頑張っていた…
と言う立派なものではなく
フクイさんのような利用者さんがいた場合どんな対応をすればいいのかを知りたい….
100人利用者さんがいたら100とーりの方法やまた利用者さんの機嫌や状況で変わってしまう対応。
それらをいつでも対応できるようでありたい。
つまり。
自分の為なんですね。
なのであゆみが偉いな~と言ってくれた言葉には申し訳なく感じてしまうのです。
湿疹が出来ている利用者さんのお布団を干してあげたいと言う気持ち。
予定が変更になるからやらんでいいと言う気持ちと同じようにわたしも結局自分のことしか考えてないんやわ~と思ってしまいました。
介護とオンラインゲームを同類にしてはいけませんがふと思ったのがボスに戦いに行く時にどんな装備をしてどんなスキルを使ってどんなアイテムを使ったら攻略できるだろう…
それと同じような気がして倒せないボスに挑むのが好きと言う自分は根っからのゲーマーなんだと。
フクイさんを攻略出来たのか。
その場面はもう来ませんでした。
その後のフクイさん
3連勤が終って次の出勤の日。
事務所に入ると一人のお姉様がジェスチャーで事務所の隣の部屋を指さしオッケーマークを指で作ってわたしに知らせてきました。
んんん?
隣の部屋はフクイさんの居室です。
それを指指しオッケーマーク。
デスクにはサ責(責任者)が座っており声に出して言うにははばかれるのでしょう。
わたしも声を出さずに口パクだけで

戻ってこられてないんですね
と言うと
首を振りながらお姉様が口パクで

もう帰ってこーへんねん

どしたんですか?
フクイさんは病院でも全て拒否の状態が続き水分は点滴で補給出来ても栄養が取れないことで胃ろうになってしまうそうでした。
胃ろうとは。
お腹に穴を開けてそこから直接栄養剤を入れる…
よく誤嚥性肺炎などで入院すると胃ろうになって帰ってくる利用者さんがいますが口から物を食べられない人には胃ろうと言う処置をされる場合が多いです。
うちの施設は胃ろうの方の対応が出来ないのでナースさんが常駐している系列の施設に転居と言うことになりました。
転居….
フクイさんが元々おられた施設に帰ることになり奥様も入居されているしフクイさんにとってはそっちの方が幸せだろうなぁと。
でもちゃんと食べれていた人が食事拒否となり胃ろうになってしまうのは幸せなことなんだろうかと複雑な想い…
全てを拒否と言ってもご家族さんが持ってきていた巻き寿司などはペロリと食べていたのにそれが胃ろうとか。
はぁ….
どっちがフクイさんにとって良かったんだろうか。
フクイさんはうちの施設に来て20日程度しかおられませんでした。
わたしもお会いしたのはたったの3回。
その3回目に頭をポンポンしてくださった….
漁師さん時代のお話を笑ってしてくださったフクイさんとはもう会うことはないでしょう。
たったの3回しか同じ時間を過ごすことが出来なくて残念なようなでも奥様のところに戻れることが嬉しいような…
そして。
ボスを攻略出来なかったような心残りを持ちながらまた次に来るであろう利用者さんにちゃんと対応できるように日々精進したいと思っています。
フクイさんあちらの施設に戻ってもいつまでもお元気でいてくださいね。

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