空の色が暗いとなんとなく気持ちも沈んでしまいますよね。
いっそ大雨でも降ればいいのになぁと思ってしまいます。
中途半端に空が暗いと
やる気がでない 寝よう
寝てる場合ではありませんがお日様が現れるまで…
綺麗な青空が見えるまで….
サボろうと決めた今日でした。
思いたった訳
介護のスクールのお話をしたいと思います。
資格の中の一番下のもの…
介護初任者スクールなるもので知り合った人達とは年齢が近いもの同士でグループのようなものが出来上がりました。
毎授業の間の10分休憩ではやんややんやと賑わってそれは楽しい時間を過ごすことが出来ました。
そして….
16歳の子とも仲良くなってご飯に行ったり65歳の男性とも何かと個人的な相談事をされたりして当初40人ぐらい集まった生徒がすぐ半分いなくなり残った20人全員と仲良くなっていきました。
ここが偶然なんですが20人のうちすでに介護をしている人が10人。
まだ実際に介護で働いてない人が10人。きっちりわかれていたんですね。
そしてその介護で働いている10人の内訳もみんなバラバラで分野が違った分大変勉強になっていきました。
以前お話しましたが介護と言うと訪問介護をすると思っていたわたしですが
色々な介護の仕事がありどういう介護をするかはスクールに行きながら考えようと思いました。
まず最初にディサービスに行ってる生徒さんのお話。
ディサービスってなになん?
授業でも出てきますが実際に働いている人のお話は貴重です。
簡単に言うと朝ご自宅にお迎えに行って施設にお連れして
バイタル測定の後お風呂→お食事→レクリエーションなど1日を楽しく過ごしていただく施設。
囲碁や麻雀専門のディサービスとかもあるそうです。
ご家族も1日高齢者さんを見ていることも厳しいですよね。
そんな時に家族に高齢者さんがいるとディサービスなどでゆっくりしていただく。
こんな使い方もあるで~と教えられて
楽しそうやん
レク考えるのも楽しいで
介護と言うと汚いやらしんどいやら悪いことしか聞きません。
それが利用者さんも笑顔。
スタッフさんも笑顔。
そんな介護ならいいかなぁとディサービスで働くことに興味を持ちました。
他だとオムツ会社にお勤めのサラリーマンの方もいました。
介護をするわけではありませんがオムツに関連しているからでしょうね。
そのサラリーマンの方も毎週熱心に通ってこられてました。
実際に現場で働いている人は
特養 老健 グループホーム ディサービス オムツ会社 ガイドヘルパー などなどの方々。
介護で働いてないわたしたち10人はどこが自分に合うのかを色々お聞きしたり紹介されて職場に見学なども行ってみたりどこがいいかなぁとワクワクしてました。
そんな時に初対面で隣に座ったちょい悪オヤジが言った言葉。
俺が働いてた特養だけはいったらあかん
なんでなん
あそこはこの世の地獄やからな
この世の地獄….
老人ホームに地獄なんてあるのでしょうか。
最近話題によくなる老人ホームでの虐待とか?
一体何が地獄なんだろう….
それを何度聞いても教えてはくれませんでした。
とにかく行ったらあかん。これしか言わないちょい悪オヤジ。
特養行きたいなら他にいけよ
うーん…
うーん….
この世の地獄とは….
訪問介護をしている友人にも聞いてみました。
この世の地獄って言う特養ってなになん
働いてた人が言うねんからヤバいんちゃうか
何がヤバいん?
どう考えてもこの世の地獄が想像出来ませんでした。
でもある日….
ディサービスにほとんど行こうと決めていたわたしは
楽しそうな仕事をする前に経験として
この世の地獄を見て見たくなりました。
初勤務
介護施設も同じ名前でもまったく中身は違います。
例えば特養と言っても運営してる母体によってやり方も流れもそれぞれです。
最近ではユニット制と言って9人を1グループにわけて一つのフロアーにリビングや居室を設けて担当の職員が9人の利用者さんのお世話をするところが多いようです。
大きな特養になりますとその9人のグループがビルの1フロアーに3個とか?4個とか?
その特養が大きいとユニットがたくさんあると言うことですね。
9人の方々はリビングにおられたり居室で寝ていたりと少ない人数なので職員の目も届きます。
ところが旧式の特養になりますと1フロアーに30人などの利用者さんがいたりして現場は戦場になります。
わたしの初めての勤務先の特養はこの旧式の特養で居室も個室ではなく4人、6人部屋のかなり古い施設でした。
面接の日。
ナビに住所を入れて走っていると段々と山の中に行くではありませんか。
山…うっそうと森の中の山道を登りぐるぐると走っていくと頂上付近に要塞のような建物が見えてきました。
その時点で
あかん これは怖い
これがこの世の地獄…
確かに建物を見ると香港にある九龍城のような外観でした。
高さはありません。九龍城をぺちゃんこにしたような建物。
蔦が絡まって建物全体をおおってる….
恐怖でビビッて帰ろうかと悩んだ末に
中身を見学だけするのもいいかも
面接なので働くと決まったわけでもありませんし採用されるかどうかもわかりません。
とりあえず要塞のような建物の中身が見て見たい…
静寂に包まれた要塞…
山の中にあるのでなんとなく気温も低く感じられる場所。
8月だと言うのに寒く感じるぐらいでビビりながら中にはいっていきました。
通された会議室には施設長 副施設長 なんちゃらリーダーと言う3人が迎えてくださり面接も終了して建物を案内してくださいました。
職場見学に行く前だったので介護施設に入るのはこの時が初めてです。
あちこちに座っているお年寄り…
ほとんどの方が車椅子に乗ってうつらうつらされていました。
ゾロゾロと大人数で歩いているので興味が沸くのかみなさんこっちを見ています。
緊張しまくって見学が終わりまた会議室に移動すると施設長さんが
とりあえず1か月は利用者さんと話しててくださいね
1か月もただ話してるだけでいいんですか?
まったくの未経験なので介護の仕事に入る前に
慣れてもらおう~と言う感じだったのでしょうね。
初任者研修に通ってることはお話してありましたが1か月間はただ利用者さんと話すだけって。
話すだけ…
そんなことでいいのかなぁと不安でしたが言われたことをするのが正解だと思い
わかりました~
そして面接と職場見学が終了した後でその日に採用が決まり翌週から勤めることになりました。
かなり昔の建物。
そして設立も古く人里離れた山の中の施設です。
見た目からするとこの世の地獄のような雰囲気も漂っています。
うわ~
どんなことするんだろう….
地獄って….
出勤初日は言われた通りに大勢おられる利用者さんの隣に座り
ただただお話をしていました。
勿論利用者さんはかなりの高齢なので会話をすると言うよりも
ただうんうんそうなんですね~とお話をお聞きしたり
お茶お持ちしましょうか?など日常で高齢者さんに接するような感じであっと言う間に初日が終わりました。
そのフロアーを見ているとお隣のフロアーと違い介護度が低そうな利用者さんばかりでした。
そう過ごしている3日間。
フロアーを仕切っておられる高齢の男性職員さんの様子を見ていると
絶えず利用者さんをトイレに誘導しておられたのです。
わたしは?座って話をするだけ….
1か月もこれを?
何か違うと思い職員さんに
トイレに誘導ってどうすればいいんですか?
まだなんもせんでいいで
なにもしなくてもいいって…
ただ座って話をするだけってこれ仕事じゃないやんなぁ…
きっと施設長さんとかから言われていたのでしょうね。
慣れるまでは見学させておいて~みたいな感じ?
3日間。
利用者さんの隣に座ってお話をしたり水分をおすすめしたり過ごしていると
あちこちから視線を感じました。
利用者さんではない視線…
バタバタ動きまくっているパートのおばちゃん達の視線でした。
なにかしら敵意のようなものを感じます。
ティッシュの場所をお聞きしてもつっけんどんなその方達。
なにやねんなんでそんな態度やねんと思い一人のパートさんに聞いてみました。
座ってるだけでいいと言われましたがホントに?
アンタはええわな~そんなこと言われて
どういうことですか?
先輩パートさん達は入職した時には当日からいきなりオムツ交換とかさせられたそうです。
それがわたしの場合には座って話してたらいいと言われていたのできっと対応違うな~と思われたんでしょうね。
これではいけないと思い何もしなくてもいいと言われましたが職員さんが利用者さんをトイレに誘導するのについていくことにしたのです。
その施設は寝たきりの利用者さんもトイレに誘導する施設でした。
居室ではなく日中はリビングに寝たきりの方専用の車いすのようなもので寝ていただき時間になるとトイレにお連れして抱えて排泄をしていただく。
その日はわたしもいたので二人の職員となりますが日常は一人で?
絶えず利用者さんをトイレに誘導して排泄介助をして戻ったらまた次の人をと….
トイレ誘導が終わると水分補給です。
水分補給30人→トイレ誘導30人→水分補給→トイレ誘導。
これを繰り返し夕方少し前になると夕食の準備の為に口腔ケアセットの準備30人分→エプロンをつけていただく30人。
お昼から夕方までの勤務ですがトイレ誘導と水分補給の繰り返しをひたすら行う….
これはさすがに人が足りんやろな…
一人で30人もの利用者さんをお世話する…
慣れてくるとオムツ交換も教えていただきました。
それでも初日は…
申し送りノートなるものがあり出勤してそれを読んでみると。
アリエスさんが初めての排泄なので慎重に見学させること。少しづつ慣れてもらってください。
あの…申し送りノートはわたしも毎日読むので慣れてもらってくださいと書かれていて少しクスっと笑ってしまいました。
そうやってすごく気を使って頂いたことも思い出です。
そして…
すぐ隣の介護度が高いフロアーに行くことになりもっと激務の日々が始まりました。
地獄なんてない
あれからもう長い年月が経ちました。
いくつかの施設を替わりましたが….
特養での仕事は今もわたしのバイブルになっていて最初の職場が特養でほんとに良かったと思っています。
介護の基本を徹底して教えていただきました。
しょっちゅう正職員さん達が会議をして一人一人の利用者さんへの対応について報告しあい共有しておられます。
わたし達パートにはその会議での内容を指示していただきこうしたらああしたらとアドバイスもいただきました。
今は違う形態の施設で働いていますが特養で学んだことは財産になると思っています。
どうしてちょい悪オヤジがこの世の地獄と思ったんだろうと考えてみますと多分ですが…
たくさんの利用者さんを一人でお世話しないといけないそれが流れ作業のように見えていたのかなぁと今は思います。
それは人手不足からくるものだったのでは。
出来ればもっと利用者さんと会話をしたり一人一人にきめ細かい対応をするのが理想かと思います。
でもキレイで都会の施設には人が来るかもしれませんが山の中の要塞のような施設に新しい人が応募するとか中々難しいのではないでしょうか。
わたしの場合は自宅の近くが一番の条件だったのでその特養に応募しましたが人には色々な希望がありますもんね。
この世の地獄…すごい表現ですね。
地獄なんてものはありませんでした。職員みなさん真摯に働いておられ毎月イベントを行い誕生日にはそれぞれのポケットマネーで利用者さんにプレゼントを渡したり微笑ましい施設でした。
事情があって退職しましたがもしもう一回あの特養に行けと言われたら喜んで行きたいと思っています。
わたしにあそこだけはいったらアカンと言っていたちょい悪オヤジは今はどこの施設で働いているのでしょうか。
ちょっと興味が沸いています。
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